かみ合う歯の咬合面の溝にできてしまった小さな虫歯を治す場合、部位が小さいからコンポジットレジンという白い詰め物で その場で詰めて治す方法がよくとられています。
コンポジットレジンの利点
この方法の利点はなんと言っても、
- その場でその日のうちに治せてしまう上に
- 見た目においても歯と同じく白く
- しかも健康保険がきく
ので、一回でもそういった治療を受けられた方はまたその方法でやってほしいと思うでしょう。
しかしこの方法もひとつ注意せねばならない重要なことがあります。
コンポジットレジンの注意点
それはどちらかといえば医療機関側にいえることなのですが、
- コンポジットレジンで修復した部分が、ちょうど向かい合っている歯とかみ合っている場合
- その状態をしっかりと口腔内で直接再現してやらなければいけない
という点です。
人はかみ合わせに関して、少しでも高かったり動かしたときにぶつかりすぎたりするとすぐに違和感が生じたように反応します。
しかし逆にひくかったり、全然かみ合っていない場合には、周りの歯がかみ合っているので違和感なく噛んでいるように錯覚してしまう傾向にあります。
保険内治療ということで、どうしても起きてしまう事象
健康保険の治療は出来高制であり、単位時間当たりの治療時間もそうそう長くとってはいられないので、患者さんが違和感を唱えない低いほう低いほうで調整されてしまう例が非常におおくあるということです。
とくに第一大臼歯などではしっかりと再現されていなければ長期的には顎のずれを引き起こしかねない大切な凹凸があります。
この部分をはしょってその場で丸めて詰められたり、磨きすぎたりするとすぐになくなってしまいます。
ですので、型を取って、間接的に模型上で再現しておいてそれを慎重に口腔内で調整を進めていく方法のほうが安全だということになります。
ゴールドのインレー(小さいはめ込みタイプの大きさの虫歯のときに削られる修復物)が昔から現在に至るまで、いき続けて いる理由はそこにもあるわけです。
小さいから多少おかしくても大丈夫…ではありません
小さい虫歯だからちょいちよいっとつめておく…そうしたいところですがそうできない部分、いやむしろそうできない部分のほうが口腔内には多いというのが毎日の臨床で感じている、危惧していることのひとつと言えます。
ご不安な方、よろしければ当院にご相談頂ければと思います。