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従来の義歯は金属(クラスプ)で維持する

義歯の種類は通常の健康保険のタイプからかなり高度な仕掛けでできているものまで、さまざまなものがあります。

健康保険の義歯は、プラスチックと人工の歯、そして動かないように自分の歯にひっかけて維持するための金属のクラスプでできています。


前歯4本がない方のクラスプデンチャー

義歯の良さは、周りの残った歯を削ったり、オペなどの外科的な侵襲はほとんどない点があげられ、気軽で比較的安価である点です。

ただし、そのひっかけるクラスプの金属が見えたりすると年寄り臭くみられるのが嫌だという方も結構いらっしゃいます。

周りの歯に維持を求める健康保険のクラスプ義歯

金属が見える点を克服したノンクラスプデンチャーとは

この最大の欠点を克服しようと作られたのが、ノンクラスプデンチャーとよばれる、スーパーポリアミド樹脂というものでできた義歯です。金属が使われていないわけではありませんが、見えないところにしか使われていません。

通常の義歯に使われるレジンと呼ばれる樹脂に比べて、これに使われているスーパーポリアミド樹脂は「軽く割れにくく弾性がある」のが特徴です。


ノンクラスプデンチャーを入れた状態の下顎の模型


模型から外されたノンクラスプデンチャー


ノンクラスプデンチャーは折れにくく弾性がある
しなやかさがあり、写真のように曲げても折れません。


はめようとしているノンクラスプデンチャーです


支える部分が歯肉と同じ色なので目立ちにくい


残っている歯に維持するための樹脂でできたクラスプ

スーパーポリアミド樹脂の素材は数種類、自分に合った物を

スーパーポリアミド樹脂の素材は数種類あり、それぞれ硬さや耐久性などが違います。大きく分けて、ナイロン系、ポリエステル系、ポリカーボネート系の3つに分類できます。

それぞれ特徴がありますが、ナイロン系は柔らかくかなり弾性もあるのに対して、ポリエステル系はやや硬くなり、ポリカーボネート系に至っては、耐久性は一番ありますがとても硬い素材となります。

各素材、製造メーカーの名称は様々なものが発表されております。

(代表的な名称では、エステショットブライト、バイオトーン、バルプラスト、ジェットカーボ、アルティメット、プレミアム、等々何十種類もあります)

どのタイプの樹脂を使ってノンクラスプデンチャーを作るかは、その方の現状の歯のない場所の少ない多いの違いや、残っている歯の健康状態がどれくらいいいのかそうでないのか、また、向かい合っている反対側の歯がどんな状態なのかによって全く異なってきます。

一般的には、歯が抜けてしまった場所が小さい場合には、ナイロン系の方がよく、欠損部位が広範囲にわたる場合には、ポリエステルや、ポリカーボネート系の方がよいとされています。

その理由は、本来、奥歯で噛むという作業はその都度何十キロという力がかかるので変にたわむと、噛むたびにかえって残っている歯に負担がかかってしまうのです。

その結果残された歯を歯周病でグラグラにしてしまう危険が生じてくるからです。
そのために、外側の見えるところのみポリエステル系を使って、内側はあえて金属の薄い板で補強するという方法を取る場合がよくあります。

こうすることにより、実際にかんだ時に残された歯も守られる形でしかも安定した咬合を再現できるようになります。


内側を金属床(チタン)で補強してあるノンクラスプデンチャー

裏返したところですが、内側にだけ金属が使用されており、見える場所には金属は見えないようになっています

歯をなくされた後、その方にとってそこをどういった方法で補えばよいのかは、正解はありません。

ここでご紹介したノンクラスプデンチャーは自費の義歯の選択肢の一つですが、まだまだいろいろなものがあります。

あなたの考えを伝えて担当の先生と一緒にご相談されてみられるといいでしょう。

当院でも取り扱っておりますのでよろしければご覧下さい

入れ歯治療について

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