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またか...という歯科に関するネガティブニュースの中で、何年かおきにいつも騒がれるものの一つに器具の使いまわしに始まる衛生面での配慮に関するものがあります。

50年以上前の私の親戚の歯医者さんではなんと煮沸消毒で、当時は滅菌にオートクレーブを使っているところの方がむしろ少なかったのかもしれません。当院は平成3年に開業してすでに27年以上経過していますが、開業当初は世間ではこれほどまでに感染対策についてニュースになることはありませんでしたが、当院ではもちろん患者さん一人一人毎の滅菌体制を整えておりました。

 

患者さん一人一人毎の滅菌体制での一番の問題点は、歯科用タービンと呼ばれる切削器具が高温高圧では耐久性から器具が非常に傷みやすいことでした。歯科で削る道具といえばあのキーンという誰でも嫌だと感じる音のでるあの削る機械のことです。


院内で使うタービンヘッドは患者ごとに交換して使用するためには多数用意する必要があります。写真のものはドイツの名門歯科ユニットメーカーのKAVOのものです。圧搾空気を使ってダイヤモンドバーを回転させて歯を削ります。

タービン以外にも切削器具として5倍速、7倍速などのコントラエンジンと呼ばれるモーターで動くものもあります。人の口の中に入れて削るこの2つのタービンとコントラエンジンは、削った時に口腔内の血液や唾液に触れるために当然消毒が必要となります。

特にタービンに関しては、エアーの力で回転の羽を回してダイヤモンドバーで切削するために、ストップしたときに一時的にサックバック現象といって口腔内のそうした体液をタービンヘッドの中に吸い込んでしまうという構造上の避けられない欠点があるのです。それによりタービンは表面の消毒では中身の部分まで消毒されていないことになり、患者さんごとのオートクレーブ滅菌は必須となります。

オートクレーブ滅菌では処理に通常40~50分かかります。一日25人の来院として患者さんごとに交換するためには、午前の診療後にもオートクレーブ滅菌の時間が取れますので、25人のうちの半分で最低13本は必要となる計算です。そんなわけで当院では開業当初からタービンの数は多量に(15本)そろえておりました。しかも頻回のオートクレーブ滅菌に強いドイツのKAVOという歯科用機械ユニットのメーカーのものであるので、だいぶ助かっております。

当時国産のものはこのオートクレーブ滅菌に対応しきれないものが多くあったために、タービンヘッドの患者さんごとの滅菌などコストばかりかかるためにやるものでないと言われていた時代でしたが、結果的に今となっては本当に報われた感じがします。

現在ではオートクレーブの機械が進化して最短7分で完了できるカナダ製の高速オートクレーブも活躍してくれていて使い終わった順に滅菌処理していけるため、より少ない本数でもよいのでしょうが、当時から15本以上そろえていたタービンは患者さんごとにどれだけ使っても不足することはありません。タービンヘッドは1台15万以上しますので、最初から数をそろえるのは結構大変でした。

なおサックバック現象で吸い込んだ体液がユニット内部のホースを汚染しないかといった心配も当然生じるでしょう。そこはさすがドイツのメーカーだけあって、オキシゲナルという過酸化水素水を絶えずユニットに循環させていて、バイオフィルムなどの生じる危険性への配慮も万全のようです。

感染対策や滅菌方法も時代とともに変化していきます。しかしどの時代でもその時代以上に厳しい姿勢で取り組むということは、多少コストがかかる問題ではありますが、これからもどんどん取り組んでいくものだと考えております。

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