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現代人に結構多くなってきた歯の知覚過敏症(歯がしみる)とくさび状欠損について

あなたはもし歯がしみると、すぐに、あ!虫歯ができたかな?と思って歯科医院に受診しますか?実際に来院れた方を調べてみると実は単に知覚過敏症で、虫歯ではなかったという例がここ最近とても多くなってきているようです。当院は開業して25年以上たちますが、虫歯でないのに歯がしみる方が多くなってきている知覚過敏症の方が多いのにはとても驚かされます。

もちろん、見た目が何でもなくても、実はコンタクトカリエスといって、歯と歯の間が虫歯になっている例もかなりありますので、レントゲンを撮るなどの鑑別診断は必ず必要ではあります。実際に穴があいていなくて見た目何ともなっていないようではあるのですが、本人がしみてしょうがないと言っておこしになった方です。この方の場合は実際に虫歯がたくさんレントゲン上で発見されましたので知覚過敏ではありませんので、早急に何らかの処置が必要となります。

さて、本題の知覚過敏症が最近増えてきた理由は所説ありますが、理にかなっている発表されている研究の一つをご紹介しましょう。多様化してきた現代人のストレスがかなり影響しているらしいのです。ストレスマネジメントの場として、口腔器官が使われている結果であるというものです。

人類は進化の過程の中で、口という器官はそもそも食べ物を食べるということ以外に、相手を威嚇したり、攻撃したりする道具として使われてきた背景があります。一方、現代人は社会生活をするにあたって、脳の中で無意識に情報処理を余儀なくされることが多くなっており、昔の時代の人間よりも明らかにその量は大きく膨れ上がってきています。電車の中でほとんどの人がスマホで何らかの情報処理を絶えずし続けていることから見てもそのことはお分かりいただけるでしょう。

話す相手に腹が立ったり、相手がいやな上司だったり職場で苦手な仲間とうまく調子を合わせなくてはならない場合などに、簡単に罵倒したり殴ったりといった行動をすぐにしないで、ぐっとこらえてどうにかしてその場を解決しようとする際などにも、相当のストレスがそこにはたまってきます。これ等の情動を抑える理性脳と呼ばれている大脳新皮質の役割はだんだん疲れてくることになります。
くさび状欠損ができるメカニズムを説明した図です。歯牙の表面はエナメル質でできていますが、咬合力により応力がその歯頚部に加わりすぎることで結晶体がはがれていき浸蝕が始まるとする説です。
>歯の際の部分にできたくさび上欠損の例 これは虫歯ではありませんが、崩れているのでひどくなるとしみてくる現象の一つ知覚過敏症を引き起こすことが多いです
これらの日中の鬱積したストレスが、夜間寝ている間に解放された結果、口腔器官を使った歯ぎしり(ブラキシズム)となって発現して、それが歯の根元付近に応力としてたまっていき、歯の結晶体が少しずつ侵襲を受けて剥がれ落ちた結果しみる現象が起こり始めることにもつながります。ひどくなってくると、歯の根元付近がくさび状に削れてくるくさび状欠損というものができてきます。

初期の段階ではそういった欠損は見られないのですが、最初の段階ではしみる現象だけが強く表れ始めます。二次象牙質といって、生体の防御反応が歯髄で起こり始めると、時間がたってからあまりしみなくなってくる場合もあります。

くさび状欠損とは一般的に歯の歯頚部付近のエナメル質が剥がれ落ちてきた結果生じる現象と言われています。 強い干渉や咬合力が原因の一つとされています。
歯がそうした人間のストレスマネジメントに使われているのだとすれば、強大な歯ぎしりにさらされたときに対応できるような前歯と奥歯のバランスの取れたかみ合わせを作っておく必要があるでしょう。矯正治療はそのためのオプションでもあるわけです。また、くさび状欠損となってしまったところは、とりあえずコンポジットレジンと呼ばれるプラスチック製のつめもので対応できます

くさび状欠損をコンポジットレジンで修復した例

前歯部の適切なガイダンスがなかったために臼歯部全体にくさび状欠損ができてしまった例です。

この症例を治すには、適切なアンテリアガイダンスをよばれる上下の歯牙の接触状態を作り上げてやることが必要で、そのためには、矯正治療か、補綴的な治療のどちらかまたは両方が必要となることが多い。

実質欠損位まで至っていない場合には、知覚過敏を予防する成分が入っている歯磨き粉に代表される物を毎日使うことや、診療室で知覚過敏抑制処置をしてもらうことなどが挙げられます。

全体的に噛み合わせの問題でくさび状欠損が多発してしまっている例では、顎機能精密検査のあと、矯正治療では並び全体を変えるか、全体的に補綴的な方法で歯をかぶせなおして咬合干渉をとる治療法(図5,図6)などもあります。

歯ぎしりやブラキシズムはやめさせられることができないので、むしろスムーズなブラキシズムをできる口腔内環境を整えてやることがいかに重要かは多くの先生が研究テーマにしていることの一つのようです。

前歯に適切なガイダンスを与えてブラキシズムに対応できるようにかぶせ物の咬合面の形態を整えた

矯正は時間と費用が掛かるので無理だという方や全体的にかぶせ物で修復する方法は大変という方には、せめて夜間の食いしばりや歯ぎしりの力を少しでも分散できるようにスプリント(マウスガード)という取り外しのきくプラスチック性の装置(健康保険適応)を作ってもらうなどして対症療法をしたり、そもそもストレスをためすぎないようご自分の生活習慣を見直されるのもいいでしょう。

いくらなおしてもしみるのが取れない方や、根本的なところから治したい方は、一度ご自分の噛み合わせの状態をしっかりと調べてもらう顎機能精密検査などをお受けになるのもいかもしれません。

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