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「奥歯が虫歯ですね…」と言われたあと、たいていの方は「それでは治療をお願いします」ということで、そのあと、麻酔をされてあのキーンといった嫌な音のタービンと呼ばれる機械で削られて、かたどりをしてその日は終わります。

後日削られた奥歯には銀歯が入って「さあ、これで終わりました…」となります。そして、口の中を見ると、なんと大きな銀歯が入っていた…ということは昔はよくある話でした。

「昔は…」と申し上げたのは、最近は、そう簡単に事を運べない世の中になってきたからです。

そもそもある程度大きくなってしまった虫歯を治すことにはどなたも異論はないでしょう。

ところが、削られた後にどういった素材でどのようにして治すのかということについては実際いろいろな素材があり、あなたにそれを選んでいただくためにどうしても説明が必要になってきます。

以前のコラムなどでも書きましたように

「先生にお任せしますので、保険の範囲で一番いい方法でなおしてください」

と言われる患者さんがいらっしゃいますが、長い目で見ると費用の面を含めても最善のご提案にならない場合があります。

一方「歯はとにかく白くないといけないので、金属は絶対に入れないでほしいです」という方もいらっしゃいます。

そういった方には、はじめから強化セラミックやジルコニアでできた自費の歯がありますとご説明しています。

大きなかぶせ物タイプでは、以前書いたかもしれませんが下顎の第一大臼歯、そして上下の小臼歯のみ健康保険でいれても銀歯ではなく高強度レジンブロックでできたCAD/CAM冠が入れられるようになりました。

ただし下顎の第一大臼歯に健康保険のレジンブロック製CAD/CAM冠を入れることのできる条件は、上下ともに28本歯が存在ていていて咬合が安定している方、もしくはお医者さんから金属アレルギー疾患である旨の証明書がある方ということになっています。

このように人によっていろいろと考え方が全然違い、勝手にこちらで判断してはいけないため、説明が必要ということになるのです。いわゆるインフォームドコンセントの一つなのかもしれません。

素材選びは基本的には、ご本人に決めていただく以外に方法はないので、最初に保険にしますか、自費にしますかという選択を迫られることになります。

あなたは、お買い物をされる場合、10万円以上するものを買う場合には、それがいったい自分にとって本当に必要なのか、あるいはそうでないのか、いろいろとお考えになるでしょう。

その場では、「とりあえず保険の範囲でいいです」と言われた方が、ご自宅に戻られてから再度お電話で「あとからいろいろ考えたのですが、やはり自費のものでお願いしたいのですが今から変更は可能ですか?」といった例は、開院当初は結構ありました。

(現在では当院で初診の方全員に配布している小冊子にすべての当院の歯科治療に関する情報を載せていますので、後日それをもとにお考えをお聞きした上での選択となる場合が多いため少なくなりました。)

ご自身のお口の環境が虫歯になりやすいのかそうでないのかリスクを知って、その上でかぶせ物を選択することが重要です。

ちなみに健康保険で大臼歯に銀歯を入れる場合1129点(2018年6月現在)となるので11,290円のうち窓口負担金を3割としますと約3,500円くらいとなります。

自費のジルコニアやファインセラミックのかぶせものを入れようとすると同じ窓口負担金と比べて45倍近く支払うことになります。

身内が虫歯になった際に私たち歯科医が銀歯を入れたがらない理由は、大きく2つあります。

1. 銀歯は二次う蝕を引き起こしやすい

奥歯は磨き残しがどなたも結構ある部分です。これまでにも「あなたにとって、歯の一番磨けていない場所は?」や「間違いだらけの歯ブラシ選び」などでも書いたので覚えておいでの方もいらっしゃると思います。

このプラークが停滞している場所に銀歯があるとコヒーラ現象で酸化腐食が発生しやすく、そこから二次う蝕が発生しやすくなるのです。現代で飛び交う電磁波による悪影響の可能性もあると考えられています。

結果的に銀歯をいずれやりかえをしなくてはならない必要が生じて、その際には以前よりもダメになったところができているために、自分の歯をさらに削り取られることになります。酸化黒変してしまった部分は人体に有害で、金属アレルギーの原因にもなることも知られています。そもそも表面がつるつるでプラークを寄せつけず、いつまでも清潔で歯と同じ白くてしかも耐久性のあるジルコニアやセラミックなどのメタルフリーな素材で治すのが有利だという理由になるのです。

2.金属は口臭の原因になりやすい

金属のイオンの影響でプラークがそこにはたまりやすくなります。結果かぶせ物のキワの部分は絶えず汚れが停滞しやすい環境ができてしまっています。

また金属イオンの影響も重なり嫌気性菌優位な環境ができてしまうために銀歯のキワの部分は歯周病の悪玉菌の一つであるグラム陰性菌の格好のすみかとなってしまい、結果的に歯周病や口臭の大きな原因となるわけです。

しかもその部分は皆さんが歯磨きをする際に一番苦手とされる歯茎と歯のキワの部分であることからさらにたちが悪いということになります。

実際の写真でご覧に入れましょう。もともとキワみがきができていない方の奥歯の状態です。

銀歯の周りにはプラークが付きやすい

プラークの下は二次う蝕 上の写真は銀歯と歯の境い目に堆積しているプラークで全体的に白っぽく見えているのがおわかりいただけると思います。そのプラークをこそげた下の写真では、酸化腐食して二次う蝕になってしまった黒い歯質が観察されます。

プラークをこそげたところ、黒く2次う蝕となった歯質があらわれた

しみるということで来院されましたが銀歯のキワに沿って黒変した二次う蝕が見られます。

よく見ると、銀歯の境目が黒くなっているのが見えます。

次の写真はその銀歯を外してみたところです。

銀歯を外された後の歯質は黒変して2次う蝕が進んでいるのがわかります。

銀歯と自分の歯の境い目がそれに沿って酸化黒変してしまっているのが観察されます。やり替えの際にはこうした酸化黒変してしまった歯質をさらに大きく削りなおしたのちに、前より一回り大きなかぶせ物が入れられていくことになります。

その際も同じ銀歯を使うと、結局何年かしてまた同じことの繰り返しになるので、最終的にはやり直しがきかなくなり抜歯されてしまうので、歯の寿命を縮めます。

できれば最初から銀歯を使わずに長持ちさせたいわけです。

さて、ジルコニアファインセラミックなどのメタルフリーがなぜ時代の潮流なのかは、以上お話したことからの流れとなってきています。

メタルフリーのジルコニアクラウン

抜群な生体親和性、ジルコニアファインセラミックの5大メリット

  1. 金属のように酸化腐食して黒変せず長期的に安定し、アレルギーの心配がない上に口臭の原因とならない
  2. 表面にプラークがつきにくいので他の素材より清潔に保ちやすい
  3. 歯と同じ色でプラスチックのように黄ばんだり着色しないので永遠に審美的
  4. 鋳込んで作る金属のかぶせ物より適合精度が優れている
  5. 耐久性がセラミックの15倍の強度なので破折や摩耗がしにくい

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