最近の歯科の治療は一般に考えられている以上に複雑で、しかも患者さんの側で選択していただかなければならない項目が多いのが特徴です。
これは同じ医療機関と言えども医科の分野の治療とは大きく異なる部分です。
治すということに関しては同じですが、そのために多くの手段があるにはそれなりの理由があります。
歯は硬い組織でできており、それを治す方法として使われる材料にはいろいろなものがあるために、どの素材を使って治療をされるのかによって治療費用も当然違ってくるわけです。
医科の治療、例えば盲腸などでは手術方法は一つしかありませんし、患者さんに治療方法を選んでいただくことはありません。しかし歯科治療となるとそうは行かなくなるのです。
治療方法で採用される材料と製作方法を患者さんご自身に選択していただいて、はじめて治療方法が決定されるわけです。
この際に問題となるのは、作り上げるときに使う一連の材料を健康保険によって決められているものを使うのか、自費診療による別の材料を使うのか、また大量生産的に作るのか、その患者さんのアゴの動きを反映した一本ごとに手間ひま掛けて作るのかによって、金額が違ってくるということです。
したがって、それぞれの材料にどういった特徴があるのか、どのように違うのかをしっかりと把握していただくために、いろいろな種類による治療法の特徴を詳しく書いてあるパンフレットを来院された初診の方全員にお渡ししております。ご自分の現状にはどれが必要なのかを検討してみてください。 |
歯は上としたのアゴに植わっており、上下の骨を支えるアゴの関節は非常にデリケートです。
噛み合わせに何らかの原因、(たとえばもともとの歯並びの不正、ストレスなどによる夜中の無意識の食いしばりや歯軋り、治されたかぶせ物の歯の粗悪な形態や調整不足、親知らずの歯に起因する噛みあわせ時の干渉、等)がアゴの関節に無理な力を加えてしまうと、関節と頭の骨の間に介在する関節円板というアゴの関節にとって、非常に重要なクッションの役目をする組織がずれてしまいます。
そうなってしまうと、極初期の間は何となくアゴの開け閉めの時に引っ掛かるとか、ごきごき音がするというった症状であったものが、突然痛みを伴ったり、口が極端に空けにくくなったりする、困った現象や偏頭痛などの不定愁訴に悩まされてしまうことがあります。
もし噛み合わせが悪いままで、むし歯になった歯だけを治しても、全体のバランスである噛み合わせが悪いままであれば、根本的に治したとは言い難いわけで、なんとなくしっくり来ない状態が続くことになります。
つまり、検査してみて、あきらかにそこの悪くなった歯以外にも問題をおこしていると考えられる部分が見つかった場合には(本当に治療するということは)場合によってはお口の中のそれ以外の歯をも治療しなければならなくなるということが多々あるということです。つぎはぎ治療で右側が痛いから右側だけに原因があるとか、案外左側の噛み合わせが低いとか、噛みにくい何らかの原因があったために反対側ばかりを使ってしまっていたことで、痛くなっていたのだということもよく経験することなのです。痛い部分だけを見て治すのではなく、現状を検査したうえで正確に把握をしてから治療に入ることをおすすめします。 |